本屋の猫・モンテネグロ

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中村淳子


中村淳子
Junko Nakamura

私は絵描きです。私は老猫と93歳の母親と住んでいる。私は身体障害者手帳を持っている。私は時として手足が動かず私の声は頭に埋め込んだ機械の為に人には聞こえない。小声で届かない。ですから私にとって絵を描くということは、唯一の他者とのコミニュケーションの手段です。言葉を持つということです。不可視的な事物、例えば『記憶』あなたが夕暮れにふと空を見上げる.その時呼び覚ました枯れ葉の匂いの風の記憶は、私の絵の軸となる『心象風景』なのです。そして人の記憶の影には必ず猫が寄り添っています。